「レビューを書いたらクーポン」は、やらせなのか。分かれ目は対価ではない
- レビューを書いたら次回クーポン、という特典つきの口コミは、それだけでは規制に触れない。国の運用基準がはっきり適法側の例として挙げている。
- 線が引かれているのは対価の有無ではなく、【書く内容まで指定したか】のほうだ。星5を条件にした時点で越える。
- 買う側が使える手がかりは「お客様の声」の並び方。悪い点が一つも入っていない欄は、客の声ではなく広告として読む。

1「特典をもらった口コミは信用できない」は、やや外れている
睡眠サプリを探していると、商品ページの下に口コミが並んでいる。その脇に「レビュー投稿で次回500円クーポン」と書いてあることがある。ここで、特典と引き換えに書かれた口コミなら信用できない、と判断したくなる。
ところが国の考え方はそうなっていない。2023年10月1日に施行された、いわゆるステマ規制の運用基準は、事業者の表示に【当たらない】場合の例として、次の形を明示している。
ECサイトに出店する事業者が自らの商品の購入者に対して当該ECサイトのレビュー機能による投稿に対する謝礼として、次回割引クーポン等を配布する場合であっても、当該事業者(当該事業者から委託を受けた仲介事業者を含む。)と当該購入者との間で、当該購入者の投稿(表示)内容について情報のやり取りが直接又は間接的に一切行われておらず、客観的な状況に基づき、当該購入者が自主的な意思により投稿(表示)内容を決定したと認められる投稿(表示)を行う場合。
消費者庁のQ&Aも同じことを、事業者からの質問に答える形で書いている。レビュー投稿を条件に次回クーポンを出してよいかという問いに対して、その投稿は「通常、『事業者の表示』には当たらず、告示に違反しないと考えられます」と答えている。予約サイトの口コミを条件に割引価格で提供する場合についても、投稿内容の指示が含まれておらず、口コミを促進する目的で、かつ【割引程度の対価】であることを踏まえれば、表示内容の決定に関与しているとはいえない、という説明になっている。
つまり、特典つきレビューは規制の想定内で、しかも適法側に置かれている。ここを誤解したまま「特典があるから全部やらせ」と読むと、ごく普通に運営されている店を疑い、本当に見るべきところを見落とす。
2越えるのは、書く内容を指定したとき
では何が線なのか。同じQ&Aは、条件の付け方を一つ変えた場合を続けて示している。口コミ投稿に当たって【星5(☆☆☆☆☆)を付けることを条件としている場合】だ。
口コミ投稿に当たって、「星5(☆☆☆☆☆)」を付けることが条件とされており、事業者は表示(投稿)の内容を決定しているといえるため、「事業者の表示」に当たると考えられます。
星の数でなくても同じで、サービスの品質や内容、価格などの取引条件について推奨するコメントをすることが条件とされている場合も同様だとされている。
ハッシュタグでも同じ構造になる。Q&Aが挙げているのは、発売20周年を記念して「#A商品は、今年で発売20周年」を付けて感想を投稿した人の中から抽選で景品を出すキャンペーンだ。これは、感想を投稿することは応募条件にしているが具体的な内容は指示していないので、事業者の表示に当たらないとされている。ただし条件が一つ添えられていて、【投稿内容が抽選結果に影響しない場合】と書かれている。良い感想を書いた人が当たりやすい運用なら、この結論は使えない。
一方、応募条件が「#毎日食べたい美味しさ!」「#ダイエット中の人にもおすすめ!」を付けて投稿することであれば、具体的な感想を記載することまでが条件になっているので、事業者の表示に当たるとされている。
線の位置は、金を払ったかどうかではない。感想の中身を事業者が決めたかどうかだ。対価については運用基準が、金銭や物品に限らず、イベント招待などのきょう応も含めて対価性を有する一切のものが含まれると注記している。範囲は広いが、それは対価の定義が広いという話で、対価があれば違反という話ではない。
投稿の直しについても、細かいが実務でよく問題になる線が引かれている。客のレビューに客観的な事実に反する内容や他社の名誉を毀損する内容が含まれていて、その記載を改めるよう依頼した場合、それだけで事業者の表示に当たることはないとされている。ただし続けてこう書いてある。
顧客が、購入商品を使用した感想(評価)を記載していることに対して、自社に都合の良い内容に改めるよう依頼すれば、当該依頼を受けて修正されたレビュー投稿は「事業者の表示」に当たると考えられます。
事実の誤りを直してもらうのは問題にならないが、評価そのものを書き換えてもらった時点で、その口コミは店の文章になる。
3買う側が使えるのは「お客様の声」の並び方
ここが、この記事でいちばん実用になる部分だと考えている。
口コミ欄の一つひとつについて、書く内容を指示されたかどうかは、外から見ても分からない。事業者と投稿者のやり取りは商品ページに出てこないからだ。だから、口コミそのものを一件ずつ疑っても手がかりは増えない。
一方で、商品ページに置かれた「お客様の声」欄は、外から判定できる。運用基準は、事業者が自社サイトの一部で第三者の表示を使う場合について、恣意的に抽出することなく、また表示内容に変更を加えることなくそのまま引用するのであれば事業者の表示には当たらないとしている。Q&Aはこれを、もっと具体的な形にしている。
アンケートの回答の中から無作為に選んだ回答を引用して掲載する場合は事業者の表示に当たらない。これに対して、
商品について好意的な評価をしているものだけを選んで引用する場合や、商品の「良い点」・「悪い点」を挙げている回答の「良い点」の部分だけを引用する場合は、「事業者の表示」に当たると考えられます。
この二つを見比べると、読み方が一つ決まる。「お客様の声」として並んでいる文章に、【悪い点・不満・効かなかったという声が一つも混じっていない】場合、それは無作為に選ばれた客の声ではなく、選んで並べた事業者の広告だということになる。良いことしか書いていない欄は、客の評価としてではなく、その店が自分で書いたキャッチコピーと同じ重みで読む。
これは注記を探すより速い。文字の小さい但し書きを見つけに行かなくても、並んでいるものの偏り方だけで判定できる。
もう一つ、Q&Aが名指ししている形がある。依頼して書かせたインフルエンサーの投稿を抜粋し、「お客様の声」として自社サイトに掲載することについて、こう書かれている。
「お客様の声」という場合、通常、顧客の自主的な意思に基づく感想等が記載されていると理解されるため、「事業者の表示」に当たるインフルエンサーの投稿を、「お客様の声」として自社のウェブサイト上に掲載することは適当ではありません。
「お客様の声」という見出しそれ自体が、自主的な感想だという意味を持つ、という整理になっている。見出しの言葉に中身を合わせる必要がある、ということだ。
4「PR」と書いてあれば中身も正しい、ではない
ここは薬剤師として一つ足しておきたい。
この告示は、表示が誰のものかを明瞭にさせる規制で、書かれた内容の正しさには触れていない。「PR」と明記された投稿は、誰の表示かという点では問題がなくなる。ところが明瞭にした結果として、その投稿は【事業者自身の広告】として扱われることになる。そこから先は、広告に当たる物差しがそのまま当たる。
運用基準にもこの重なりが書かれている。告示の対象となる事業者の表示の中に、景品表示法第5条第1号、第2号または第3号に基づく他の告示の規定に該当する表示がある場合には、それらが第5条違反とされる。また、他法令の適用がある場合であっても、事業者が表示内容の決定に関与したとされる実態があるものについては、他法令だけでなく告示の対象になる、とも書かれている。二つの規制は択一ではなく、重なる。
Q&Aは処分のされ方についても、告示違反そのものは措置命令の対象で課徴金納付命令の対象にはならないが、違反行為の内容に優良誤認表示または有利誤認表示が含まれる場合は課徴金納付命令の対象となることがある、と説明している。
この重なりを睡眠サプリに引き直すと、事業者にとっての意味が変わってくる。星5を条件にしたり、書いてほしい感想をハッシュタグで指定したりすると、その口コミの文章は自社の広告文になる。そこに「不眠が治った」「薬をやめられた」といった記述が入っていた場合、書いたのは客でも、広告として問われるのは事業者のほうだ。そして疾病の治療や予防を示す記述は、薬機法の側の線を越える。告示に対応して「PR」と付けても、この部分は何も救われない。
指示を出さないという選択には、口コミの中身を自分の広告として抱え込まないという意味もある。これは規制を避けるための消極的な話ではなく、設計の話だと考えている。
5明示の置き場所には、細かい決まりがある
事業者の表示だと明瞭にする方法についても、Q&Aは置き場所まで踏み込んでいる。使える用語は「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」に限られておらず、表示内容全体から明瞭になっていればよく、「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章で書く方法も適切な対応として示されている。
そのうえで、次の四つは不十分だとされている。
1. 従業員が個人のSNSで自社商品を宣伝する場合に「私は○○社の社員です。」と所属を明示するだけでは、事業者の表示であることが明瞭となっているとは必ずしもいえない。
2. SNSの投稿で、本文ではなくツリー(リプライ)に「広告」と書いている場合は、一般消費者が気付かないおそれがあり、明瞭とはいえない場合が多い。
3. 動画は、冒頭に「広告」と表示するだけでは見逃すおそれがある。途中から見る人がいるため、画面上に常に表示するなど、動画全体を通して明瞭にしておくことが望ましい。
4. アフィリエイトサイトは、冒頭に「このサイトはアフィリエイト広告を利用しています。」と書いてあっても、文字のサイズや色を踏まえて明瞭になっている必要がある。さらに、専門家の客観的な意見のように見えて実際には報酬を払って依頼したコメントのような部分があれば、その付近に個別の記載が要る。
四つ目は、このサイト自身にかかる。当サイトはアフィリエイトリンクを含み、その収益で運営している。だから冒頭にPR表記を置き、リンクを含む記事では本文と同等の視認性で示す運用にしている。誰かに向けた基準ではなく、自分に当たる基準として書いている。
6誰が処分されるのか
最後に、規制を受ける側の話をしておく。Q&Aは範囲をはっきり限っている。
広告主から広告・宣伝の依頼を受けて表示(例えば、SNSへの投稿等)を行うインフルエンサーやアフィリエイターは規制の対象外となります。
対象は、表示内容の決定に関与した事業者、つまり広告主だ。インフルエンサー等が広告主と共同して商品を供給しているという例外的な場合は別だが、原則としてこうなっている。世間では「PRと書かないインフルエンサーが悪い」という形で語られることが多いが、制度上の名宛人は商品を売っている側にある。
逆方向も書かれている。事業者の依頼に応じたものではなく、自主的な意思で投稿する場合は事業者の表示に当たらないため、「PR」と記載する必要はない。気に入っている商品を自分で勧めるだけなら、付ける必要はない。
古い投稿についても一点ある。告示は2023年10月1日から施行されたが、それ以前に行われた事業者の表示に当たる投稿が施行後も表示され続けている場合、明瞭になっていなければ違反となり行政処分の対象となる可能性がある、とQ&Aは述べている。過去に依頼した投稿が残っている事業者は、今の運用だけ直しても終わっていない。
7実際に止まった事例が、食品で出ている
ここまでは基準の話だった。この告示で実際に事業者が止められた事例が、食品で出ている。
消費者庁は令和7年9月19日、「あえて、」と称する冷凍宅配食を共同して販売していた味の素株式会社と株式会社イングリウッドの2社について、確約計画を認定したと公表した。違反する疑いのあった条項は景品表示法第5条、そのうち第3号のステルスマーケティング告示である。
行為の中身は、公表文にこう書かれている。2社は第三者に対し、本件商品の無償提供を条件にInstagramへの投稿を依頼した。そして令和6年5月10日から同年8月6日までの間、その第三者が投稿した表示を、本件商品の販売サイトの「使ってみた方の感想 Instagramでの投稿レビュー」という表示箇所等において抜粋するなどして表示していた。
この事案の形を、前の節で引いた基準に当てて読むと、見るべき場所が二つあることが分かる。一つはSNS側で、無償提供を条件に投稿を依頼している。もう一つは自社サイト側で、その投稿を「使ってみた方の感想」として販売ページに並べている。公表文が違反被疑行為として記述しているのは、この二つが繋がった後者のほうだ。つまり、投稿がSNSの上にあるうちの話ではなく、それを自社の販売ページへ引いてきた時点が捉えられている。
商品はサプリメントではなく冷凍宅配食だが、構図はそのまま健康食品に当てはまる。商品を無償で送る、感想をSNSに上げてもらう、それを自社ECの「お客様の声」欄に並べる。この三段は、サプリの販売ページで珍しいものではない。前の節で引いたQ&A Q16は、依頼して書かせた投稿を「お客様の声」として掲載することは適当ではないと書いていた。その記述が、実際の執行としてどう現れるかを示したのがこの事例になる。
8措置命令ではない出口がある。ただし入口を決めるのは事前の記録
この事例で目を引くのは、行為そのものより終わり方のほうだ。措置命令ではなく、確約計画の認定で終わっている。
確約手続は、令和5年改正法(令和5年法律第29号)によって景品表示法に導入された仕組みで、違反の疑いがある行為を事業者の自主的な取組で解決する。消費者庁が確約計画を認定すると、その行為については措置命令と課徴金納付命令に係る規定が適用されない。今回の2社が出した計画の中身は、同種の行為を行わない旨を取締役会等で決議すること、行為の内容を一般消費者に周知徹底すること、再発防止の措置を講じること、そしてこれらの履行状況を消費者庁に報告することの四つだった。
ここで誤解されやすい点を先に潰しておく。確約手続は、事業者が自分から申し込む制度ではない。運用基準を読むと、手続は消費者庁が違反被疑行為者に対して確約手続通知を行うことによって開始する、と書かれている。事業者の側からできるのは、調査を受けている最中に、その行為が確約手続の対象になるかを確認したり、確約手続に付すことを希望する旨を申し出たりする相談までだ。通知を受けた後は60日以内に申請する必要がある。申請するかどうかは事業者が自主的に判断してよく、申請しなかったこと、あるいは取り下げたことを理由に、その後の調査で不利益に扱われることはないと明記されている。ただし申請しなければ調査が再開する。
では、誰が通知を受けられるのか。運用基準は、確約手続の対象としない場合を二つ挙げている。
①違反被疑行為者が、違反被疑行為に係る事案についての調査を開始した旨の通知を受けた日〔中略〕のうち最も早い日から遡り 10 年以内に、法的措置を受けたことがある場合(法的措置が確定している場合に限る。)、及び②違反被疑行為者が、違反被疑行為とされた表示について根拠がないことを当初から認識しているにもかかわらず、あえて当該表示を行っているなど、悪質かつ重大な違反被疑行為と考えられる場合
一つめは過去10年の処分歴で決まるので、今から動かせない。動かせるのは二つめのほうだが、その判定材料は広告文の中にない。根拠がないことを当初から認識していたかどうかは、社内に何が残っているかで判断される話になる。届出資料や試験データを見ずに文言を決めた経緯、根拠が足りないと社内で指摘されたのに通した記録。そういうものが残っていれば、この②に近づく。
同じことが、対象とするかどうかの考慮要素の側にも書かれている。運用基準は、違反被疑行為がなされるに至った経緯を考慮するとしたうえで、その括弧の中に「景品表示法第22条第1項に規定する義務の遵守の状況を含む」と書いている。第22条第1項は、事業者が表示等の管理上の措置を講じなければならないという条文だ。表示チェックの体制を作って回していたかどうかが、確約手続に乗せてもらえるかの考慮要素として、運用基準の本文に明記されている。
つまり、違反かどうかという分岐の手前に、どの出口に行けるかという別の分岐がある。そして出口の広さは、指摘を受けた後の対応の速さではなく、指摘を受ける前に社内に何を残していたかで決まる。表示チェックの記録は、違反を防ぐためだけのものではなく、防ぎきれなかったときに使える手続を残すためのものでもある。
買う側にとっての読み方も一つ足しておく。確約計画が認定されると、認定計画の概要、違反被疑行為の概要、事業者名が公表される。ただし公表には、景品表示法の規定に違反することを認定したものではない旨が付記される。今回の公表文にも同じ断り書きがある。だから事業者名が出ていることをもって違反が確定したと読むのは正確ではない。逆に、認定されたから問題がなかった、とも読めない。違反の有無を判断しないまま、行為を止めて影響を是正する手続だからだ。
9ここは混ぜないでほしい
線を二つ引いておく。
一つめ。この記事は景品表示法の話で、届出表示の話ではない。届出番号のある機能性表示食品でも、口コミの集め方に問題があれば告示の側で問われる。逆に、口コミの集め方が適正であることは、届出表示の内容や満足度の数字の根拠を保証しない。制度が別なので、片方があってももう片方の保証にはならない。
二つめ。ここで挙げた適法・違法の例は、すべて運用基準とQ&Aが挙げている例示だ。Q&Aの回答も「通常」「考えられます」という書き方で、個別の事情によって判断が変わる余地を残している。実際の判定は、事業者と投稿者の間のやり取りの内容、対価の内容とその提供理由、取引関係がどの程度続いているかなどを総合して行われる、と運用基準に書かれている。だから、ある商品ページを見て「これは違反だ」と外から断定することはできない。この記事で渡しているのは、断定する道具ではなく、どこを見るかの順序だ。
三つめ。確約手続は景品表示法の制度で、根拠条文も景品表示法第26条以下にある。薬機法や食品表示法に同じ仕組みは置かれていない。だから、同じ商品ページの同じ一文でも、景品表示法の側で問われたのなら確約手続という出口があり得るが、効能の書き方が薬機法の側で問われている場合、この出口は用意されていない。健康食品の表示はこの二つが同時にかかる場所なので、片方の制度の話をもう片方に持ち込まないほうがいい。
なお、睡眠サプリの口コミにこうした指示つきのものがどれくらい混じっているかは、この記事では調べていない。運用基準とQ&Aは業種を限った資料ではなく、睡眠サプリ市場を数えた調査でもない。割合の話はできないので、しない。
10この記事のポイント
- レビュー投稿を条件に次回クーポンを出すことは、運用基準が事業者の表示に当たらない例として挙げている。特典つきの口コミは、それだけでは違反にならない
- 分かれ目は対価の有無ではなく、投稿内容を指定したかどうか。星5を条件にする、推奨コメントを条件にする、特定の感想をハッシュタグで指定する、はいずれも事業者の表示になる
- 抽選キャンペーンは、感想の内容を指示していなければ対象外。ただし投稿内容が抽選結果に影響しない場合という条件が付いている
- 事実の誤りを直すよう依頼するのは問題にならないが、評価を自社に都合よく改めるよう依頼すれば、その口コミは事業者の表示になる
- 「お客様の声」は、無作為に選んで原文のまま引用なら客の声。好意的なものだけ、または良い点だけを抜き出したものは事業者の広告。悪い点が一つも混じっていない欄は後者として読む
- 依頼して書かせた投稿を「お客様の声」として掲載することは適当ではないとされている
- 「PR」と明記しても中身の適否は救われない。明瞭にした結果、その文章は事業者自身の広告として扱われ、優良誤認・有利誤認や薬機法の物差しがそのまま当たる
- 明示は、所属明示だけ、ツリーへの記載だけ、動画冒頭だけ、アフィリエイトサイト冒頭の一括表示だけでは足りない
- 規制対象は広告主。インフルエンサーやアフィリエイターは原則として対象外
- 2023年10月1日より前の投稿でも、今も表示され続けていれば処分の対象になり得る
- 実際の執行例が食品で出ている。無償提供を条件にInstagramへ投稿を依頼し、その投稿を販売サイトの「使ってみた方の感想」欄に抜粋して並べた行為が、第5条第3号の違反被疑行為として捉えられた(令和7年9月19日 確約計画認定)
- 措置命令のほかに確約手続という出口がある。認定されれば措置命令と課徴金納付命令の規定が適用されない。ただし開始するのは消費者庁の通知で、事業者から申し込む制度ではない
- 確約手続の対象外は二つ。遡り10年以内に確定した法的措置を受けている場合と、根拠がないと当初から認識しながらあえて表示した悪質重大な場合
- 対象とするかの考慮要素に、景品表示法第22条第1項(表示等の管理上の措置)の遵守状況が明記されている。表示チェックの体制を残していたかが、使える手続の範囲に効く
- 認定されると事業者名が公表されるが、違反を認定したものではない旨が付記される。名前が出ている=違反確定、とは読めない
数字の根拠の読み方は「満足度94%」は誰に聞いた数字なのか、箱に書かれた文章の読み方は届出表示の読み方で続ける。選び方そのものは睡眠サプリの選び方にまとめてある。
- 消費者庁長官決定「『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』の運用基準」令和5年3月28日(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/assets/representation_cms216_230328_03.pdf)2026年9月14日確認。ECサイトのレビュー機能への謝礼として次回割引クーポン等を配布する場合の取扱い(第2・2(1)オ)、投稿内容に誤記がある場合の修正依頼に関する注記、対価に金銭・物品以外のきょう応等が含まれること(第2・1(2)イの注)、第三者の表示を恣意的に抽出せず変更を加えずそのまま引用する場合の取扱い(第2・2(1)キ)、不特定の第三者および会員等への試供品配布、表示を目的としない単なるプレゼント(同ク・ケ・コ)、事業者でない者は告示の対象とならないこと(第1の注)、他の号に基づく告示や他法令との重なり(第2)、表示内容の決定への関与を判断する際の考慮要素(第2・1(2)イ)は、いずれも同運用基準による
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/)2026年9月14日確認。規制対象が広告主でありインフルエンサー・アフィリエイターは対象外であること(Q1)、措置命令の対象であり課徴金納付命令の対象とならないが優良誤認・有利誤認が含まれる場合は課徴金の対象となり得ること(Q2)、従業員の投稿の取扱い(Q3)、街頭サンプリングとインフルエンサーへの無償提供の違い(Q4・Q5)、口コミ投稿を条件とする割引と星5を条件とする場合(Q6)、レビュー投稿を条件とする次回クーポン(Q7)、ハッシュタグ投稿キャンペーンと具体的な感想を応募条件とする場合(Q8)、事実に反する記載の修正依頼と評価の書き換え依頼(Q9)、アンケート回答の引用と好意的な評価のみの抽出(Q10)、明瞭に示す方法として認められる用語と文章(Q11)、所属明示だけでは足りないこと(Q12)、アフィリエイトサイトにおける冒頭表示と個別表示(Q13)、ツリー(リプライ)への記載(Q14)、動画における常時表示(Q15)、依頼した投稿を「お客様の声」として掲載することの適否(Q16)、施行日が令和5年10月1日であり施行前の投稿が継続表示されている場合の取扱い(Q20)、自主的な投稿にPR表記が不要であること(Q21)は、いずれも同Q&Aによる
- 消費者庁長官決定「確約手続に関する運用基準」令和6年4月18日(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/assets/representation_cms216_240418_04.pdf)2026年9月24日確認。確約手続が令和5年改正法(令和5年法律第29号)により導入されたこと(1)、手続が消費者庁の確約手続通知により開始すること(2)、通知前でも事業者が相談できること(3)、通知から60日以内に認定申請が必要であること(4)、確約手続の対象外となる二つの場合(5(3))、考慮要素に景品表示法第22条第1項の義務の遵守の状況を含むこと(5(2))、申請しなかったこと・取り下げたことを理由に不利益に取り扱われないこと(6(1)(2))、認定の効果として法的措置に係る規定を適用しないこと(7(2))、認定が違反の認定ではないこと(同)、認定後に事業者名等を公表し違反を認定したものではない旨を付記すること(9)は、いずれも同運用基準による
- 消費者庁「冷凍宅配食の販売事業者2社から申請があった確約計画の認定について」令和7年9月19日(https://www.caa.go.jp/notice/entry/043617/ /本文PDF https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_250919_01.pdf)2026年9月24日確認。申請者2社、「あえて、」と称する冷凍宅配食を共同して販売していたこと、無償提供を条件とするInstagramへの投稿依頼とその投稿を販売サイトの「使ってみた方の感想 Instagramでの投稿レビュー」箇所等へ抜粋して表示していたこと、対象期間が令和6年5月10日から同年8月6日までであること、違反する疑いのあった条項が景品表示法第5条(同条第3号)であること、確約計画の四つの内容、令和7年8月7日に同法第30条の規定に基づく確約手続通知が行われたこと、本認定が違反を認定したものではない旨の記載は、いずれも同公表資料による。なお表示例を掲載した別紙は画像のため、投稿の具体的な文面は確認していない
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing)2026年9月14日確認。告示(令和5年内閣府告示第19号)および運用基準・Q&Aの所在の確認に用いた
飲んでいるサプリが自分に必要か、飲み合わせは大丈夫か。売る側でない薬剤師が、要るものは勧め、要らないものは正直に要らないと伝えます。初回はメールで無料。
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