睡眠薬・市販の睡眠改善薬・睡眠サプリの違い。薬剤師が立場を整理する
まず結論
- 眠りを助けるものは三つに分かれる。処方の睡眠薬(医療用医薬品)/市販の睡眠改善薬(OTC医薬品)/睡眠サプリ・機能性表示食品(食品)。
- この三つは「強さの順番」ではなく、対象が違う。病気の不眠は医療、一時的な不眠はOTC、睡眠の質を整えたいは食品、という住み分け。
- 自分がどの立場かで選ぶものが決まる。食品で整えたい段階なら、成分で選ぶ。
1三つを、まず分けて理解する
「眠れない」に対して薬局やネットで出会うものは、見た目が似ていても中身の立場が違う。ここを混同すると、選び方を誤る。三つに分けて整理する。
21. 処方の睡眠薬(医療用医薬品)
医師が診察して処方する薬だ。不眠症など、医療として対応すべき不眠に使われる。効果がはっきりしている分、用量の管理や、やめ方(休薬)も医師の管理のもとで行う。自己判断で始めたり、急にやめたりするものではない。睡眠の問題が生活に支障をきたしている、長く続いている、というときは、この領域=受診が出発点になる。
32. 市販の睡眠改善薬(OTC医薬品)
ドラッグストアで買える医薬品で、一時的な不眠(寝つきが悪い・眠りが浅い夜が続くとき)を対象にしている。あくまで一時的な使用を想定したもので、毎晩の常用や、長く続く不眠に使い続けるものではない。医薬品なので、持病や他の薬がある人は、薬剤師に相談して選ぶ。慢性的な不眠に市販薬で対処し続けるより、その段階なら受診を考えたい。
43. 睡眠サプリ・機能性表示食品(食品)
これは医薬品ではなく食品だ。病気の不眠を治すものではなく、睡眠の質を整えることを目的にした成分(GABA・グリシン・L-テアニン・クロセチンなど)が使われる。機能性表示食品なら、届け出た範囲で「睡眠の質の向上」などを表示できる(機能性表示食品とは)。対象は、生活習慣とあわせて睡眠の質を整えたい、という軽めの段階になる。
5自分はどの立場か
選ぶものは、強さでなく自分の状態で決まる。
- 不眠が続いて生活に支障がある/気分の落ち込みも一緒にある → 医療(受診)の領域。サプリで対処しない。
- ここ数日、一時的に寝つきが悪い → 市販の睡眠改善薬も選択肢。薬剤師に相談して。
- 病気というほどではないが、睡眠の質や起床時のだるさを整えたい → 食品(睡眠サプリ・機能性表示食品)の出番。成分で選ぶ。
食品で整えたい段階なら、悩みに合う成分を選ぶのが近道だ。寝つき・中途覚醒など、自分の悩みから入るとよい(寝つきが悪い人へ/睡眠サプリの横断比較)。なお、処方の睡眠薬を飲んでいる人がサプリを足す場合は、別途注意がいる(睡眠サプリと睡眠薬の併用)。
6この記事のポイント
- 眠りを助けるものは、処方薬・OTC医薬品・食品の三つに分かれる
- 強さの順でなく、対象(病気/一時的/質の調整)の違いで住み分ける
- 不眠が続き生活に支障があるなら、まず受診の領域
- 睡眠の質を整えたい軽い段階なら、食品を成分で選ぶ
- 処方薬を飲んでいる人がサプリを足すときは別途相談が要る
- 制度の区分:消費者庁 機能性表示食品制度(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/)
- 医薬品の区分・適正使用:各医薬品の添付文書(PMDA, https://www.pmda.go.jp/)