睡眠サプリは複数飲んでいいか。薬剤師が成分の重複と過剰を判定する
- 「効きそうだから」と何種類も重ねるのは、成分が重複して合計量が増え、かえって読みにくくなる。
- 正解は数を増やすことではなく、自分の悩みに合う届出の製品を一つ選ぶこと。
- 薬を飲んでいる人は、サプリを重ねるほど飲み合わせの確認も増える。足す前に相談する。
1まず押さえる一点(くわしく)
眠れないと、つい複数の睡眠サプリを同時に試したくなる。けれど、数を増やすほど効くわけではない。むしろ、同じ成分が別々の製品に入っていて合計量が増えたり、何が効いて何が合わないのかが分からなくなったりする。だから結論はシンプルで、【重ねるのではなく、自分の悩みに合う一つに絞る】。その理由を順に置く。
2なぜ「重ねる」と読みにくくなるのか
睡眠サプリは、GABA・グリシン・L-テアニンといった成分を中心に作られている。問題は、これらが複数の製品にまたがって入っていることだ。たとえばGABAは単体製品にもマグネシウム複合製品にも入っている。睡眠用とストレス用を一緒に飲むと、GABAの合計量が目安を超えることがある(GABAの仕分け)。
食品だからいくつ重ねてもよい、とは言えない。それぞれは目安量の範囲でも、足し算すると過剰になりうる。そして複数を同時に始めると、効果も不調も、どの製品によるものか切り分けられなくなる。
3数でなく「届出の対象」で一つに絞る
選び方の軸は、数ではなく届出の対象だ。寝つきが気になるのか、夜中に目が覚めるのか、ストレスも一緒なのか。悩みに合う届出を持つ製品を一つ選ぶほうが、結果として満足度が高い(届出表示の読み方/睡眠サプリの横断比較)。
たとえば寝つきならグリシン、中途覚醒ならクロセチン、というように、対象がはっきりした一つに絞る。試すなら一つずつ、二〜三週間ほど様子を見て、合わなければ替える。同時に何種類も走らせない。
4薬を飲んでいる人は、なおさら絞る
サプリを重ねるほど、薬との飲み合わせを確認する対象も増える。降圧薬・睡眠薬・抗菌薬などを飲んでいる人は、サプリの種類が増えるほどリスクの掛け算になる。足す前に、お薬手帳を持って主治医・薬剤師に相談したい。種類を絞ることは、飲み合わせの面でも安全側に働く。
5どんなときに受診・相談すべきか
複数のサプリを試しても眠れない状態が続く、日中の生活に支障が出ている、というときは、サプリの組み合わせを変える前に医療機関の受診を考えたい。眠れないこと自体が、別の不調のサインのこともある。
6この記事のポイント
- 数を増やしても効くわけではなく、成分の重複と過剰を招く
- 同じ成分が複数製品にまたがり、合計量が目安を超えることがある
- 正解は悩みに合う届出の製品を一つ選ぶこと。試すなら一つずつ
- 薬を飲んでいる人は、種類が増えるほど飲み合わせの確認が要る
- 重ねても眠れない状態が続くなら受診を考える
- 成分の安全性・飲み合わせの一般情報:国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報(HFNet, https://hfnet.nibiohn.go.jp/)/各医薬品の添付文書(PMDA)
- 届出表示・対象:消費者庁 機能性表示食品 届出情報検索(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)