企業解剖エスエス製薬

同じ会社が、睡眠薬では高い側・L-システインでは安い側に立つ。エスエス製薬を薬剤師が添付文書で解剖する

PRこの記事には商品へのアフィリエイトリンクを含みます。掲載は薬剤師が成分と一次資料で選んだもので、報酬の有無で評価や順位を変えていません。
✓一次資料の照合済みメーカー公式の効能・効果および成分・分量、PMDA掲載の添付文書で照合(2026-09-25)
まず結論
  • ドリエルとドリエルEXは、有効成分がどちらもジフェンヒドラミン塩酸塩50mg。違いは剤形(2錠か1カプセル)だけだ。
  • ドリエルは1回あたり約350円。同じ有効成分の市販薬が12錠400円台で流通しているので、この市場ではエスエス側が高い位置にいる。
  • ところがハイチオールCプラス2は、同処方のドンホワィドンの半分以下(1日約95円対約221円)。同じ会社が市場ごとに逆の側に立っている。

エスエス製薬はハイチオール、エスタック、アレルギール、ドリエルといった市販薬の会社で、ブランド名のほうが社名より先に浮かぶ人が多いと思う。製薬会社なので、開くべき一次資料は添付文書と効能・効果の逐語になる。

この会社を解剖して面白いのは、商品ごとの価格の位置が一定でないところだ。睡眠改善薬の市場では相対的に高い側にいて、L-システイン製剤の市場では安い側にいる。同じ会社なのに、である。買う側としては「このメーカーは高い/安い」という覚え方が通用しないということになる。

1ドリエルとドリエルEXは、中身が同じで剤形が違う

エスエス製薬の公式の製品情報で、2つを並べるとこうなる。

ドリエルドリエルEX
区分指定第2類医薬品指定第2類医薬品
成分・分量2錠中 ジフェンヒドラミン塩酸塩50mg1カプセル中 ジフェンヒドラミン塩酸塩50mg
効能・効果一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い、眠りが浅い同じ
用法・用量1日1回就寝前に2錠1日1回就寝前に1カプセル

有効成分の量が同じで、効能・効果の文も同じ。違うのは飲む形だけになる。「EX」という名前から成分が強化されていると受け取る人が多いと思うが、少なくとも有効成分のジフェンヒドラミン塩酸塩は50mgで変わらない。錠剤2つを飲むかカプセル1つを飲むかの差だ。

効能・効果の逐語も読んでおきたい。【一時的な不眠】の【寝つきが悪い、眠りが浅い】の緩和であって、続く不眠症の治療ではない。ここは市販の睡眠改善薬に共通する枠で、数日飲んでも変わらない不眠は受診の領域になる。製品名が効能を先取りする構造の話はアレルケアは、なぜ「アレルギー」と書かないのかに書いている。

21回あたりいくらか。この市場ではエスエス側が高い

希望小売価格は6錠入り1,100円、12錠入り2,090円(小売各社の商品情報で確認、2026年9月25日時点)。1回2錠なので、6錠は3回分、12錠は6回分になる。

内容量価格(税込)使える回数1回あたり
ドリエル 6錠1,100円3回約367円
ドリエル 12錠2,090円6回約348円

一方で、ジフェンヒドラミン塩酸塩を有効成分とする指定第2類医薬品は他社からも出ていて、たとえば皇漢堂製薬のリポスミン12錠は小売各社で税込400円台の表示だった。第一三共ヘルスケアのグ・スリーPも同じ有効成分の製品になる。

ただし正直に書くと、今回リポスミンの1錠あたりの分量までは一次資料で確認できていない。だから【同一処方】と断定はしない。確認できたのは、同じ有効成分・同じ区分の市販薬が、価格帯としてはひと桁違う位置にも存在するという事実までだ。買う前に箱の成分欄を見て、1回量あたりのジフェンヒドラミン塩酸塩が何mgかを揃えて比べてほしい。そこが揃えば、あとは価格の話になる。

睡眠改善薬とサプリを重ねようとしている人は、睡眠薬と睡眠サプリの併用を先に読んでおいてほしい。ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬なので、風邪薬やアレルギーの薬と成分が重なることがよくある。

3ハイチオールCプラス2では、逆にエスエス側が安い

同じ会社のL-システイン製剤を見ると位置が入れ替わる。ハイチオールCプラス2の1日量(6錠)はL-システイン240mg・ビタミンC500mg・パントテン酸カルシウム24mgで、これはファーマフーズのドンホワィドンと添付文書レベルで成分・分量・効能が同一だった。

ハイチオールCプラス2ドンホワィドン
1日量L-システイン240mg・ビタミンC500mg・パントテン酸Ca24mg同じ
1日の錠数6錠3錠
服用できる年齢7歳以上15歳以上
1日あたりの価格約95円(180錠2,838円)約221円(90錠6,630円)

同じ中身に対して、エスエス側が約95円、ファーマフーズ側が約221円。約2.3倍の差になる。しかも服用できる年齢はハイチオールのほうが下まで広い。この照合の詳細はドンホワィドンの判定記事にまとめてある。

つまり【メーカーで高安を覚えない】のが正しい。市場ごとに、その会社が先行者か後追いか、ブランド名が知られているかどうかで位置が変わる。ドリエルは睡眠改善薬というカテゴリーを作った側なので名前の価値が価格に乗っていて、L-システインでは同処方の後追いが高値で出てきた結果、相対的に安い側に置かれている。

4相談することを読む。医薬品を買う意味はここにある

市販薬を買う一番の実益は、箱の中に添付文書が入っていることだ。サプリには付かない。ジフェンヒドラミン塩酸塩の製品で特に見るべきなのは次の3点になる。

前立腺肥大などで排尿に困難がある人、緑内障の人は、抗ヒスタミン薬で症状が悪化しうる。服用後は乗物の運転をしないこと。そして連用しないこと。市販の睡眠改善薬は一時的な不眠に使うもので、続けて飲む設計ではない。具体的な記載は製品の添付文書で確認してほしい(今回、使用上の注意の全文は公式の製品情報ページからは取れなかった)。

5よくある質問

【ドリエルとドリエルEXはどちらを買えばいいか】
有効成分は同じ50mgなので、飲みやすい剤形で選ぶ話になる。錠剤が飲みにくいならカプセル、という順番だ。

【ドリエルは睡眠薬なのか】
医療機関で処方される睡眠薬とは成分が違う。市販の睡眠改善薬は抗ヒスタミン薬の眠気を利用するもので、効能も「一時的な不眠」に限られている。

【毎晩飲んでもいいのか】
連用を想定した薬ではない。数日で改善しない不眠は、市販薬を足すより受診のほうが早い。

【サプリと一緒に飲んでいいか】
成分が重なる可能性があるので、薬剤師に相談してほしい。特に風邪薬・アレルギーの薬との重複は起こりやすい。

【ハイチオールとドンホワィドンはどちらがいいか】
添付文書レベルで中身が同じなので、効き方で選ぶ理由はない。価格ならハイチオールCプラス2、1日3錠で済ませたいならドンホワィドン、7〜14歳に使うならハイチオールCプラス2しか選べない。

6薬剤師として付け加える注意

7誰に向いて、誰には向かないか

明日が心配で今夜だけ眠りたい、という使い方ならドリエルの位置は合っている。剤形で選べる選択肢もある。一方で、眠れない夜が続いている人には向かない。効能が「一時的な不眠」で切られているので、続く不眠に当てても届出や承認の範囲の外に出る。そこは受診のほうが確実だ。価格を最優先にするなら、同じ有効成分の他社品の成分欄を見て揃えてから選ぶ。

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8この記事のポイント


【監修】まさ(現役で通販事業の顧問を務める薬剤師/薬機法管理者・景表法第1級)

【出典・確認日】

【今回確認できなかったこと】

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