企業解剖ハウス食品

同じ「ネルノダ」で届出番号は4回入れ替わっている。ハウス食品を薬剤師が届出の履歴で解剖する

PRこの記事には商品へのアフィリエイトリンクを含みます。掲載は薬剤師が成分と一次資料で選んだもので、報酬の有無で評価や順位を変えていません。
✓一次資料の照合済みハウス食品グループ本社のニュースリリースおよびメーカー公式通販の届出情報で照合(2026-09-25)
まず結論
  • ネルノダの届出番号は、2019年の発売時がドリンクD75・粒D177、2021年のリニューアルでF91とF90、現行の粒タイプはH1209。剤形ごとに別で、改良ごとに変わっている。
  • 届出表示に書ける機能も増えている。2021年は睡眠の質だけ、現行は睡眠の質+一時的な疲労感・精神的ストレスの緩和の2つ。
  • GABAは一貫して100mg。ただし現行は3粒、2021年は4粒。粒数が減って量は同じだ。

ハウス食品は「ネルノダ」の会社だが、製造販売しているのはグループのハウスウェルネスフーズで、通販はハウスダイレクトが担う。機能性表示食品なので、開くべき一次資料は届出情報とメーカー自身のリリースになる。

この会社で確かめたかったのは、キューに書いた「ドリンクと粒で届出が分かれているのか」だった。結論は【分かれている】で、さらに想定より面白い事実が出た。届出番号は剤形ごとに別なだけでなく、リニューアルのたびに入れ替わっている。

1届出番号の履歴。同じ商品名でも届出は別物

時点ドリンク粒タイプ届出表示に書けた機能
2019年3月 発売D75D177(当時のリリースでは番号のみ確認)
2021年2月 リニューアルF91F90睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)
現行(2026年9月確認)―H1209睡眠の質 + 一時的な疲労感や精神的ストレスの緩和

剤形が違えば届出は別になる。これは形が違えば摂り方も体内に入る速さも変わるので、制度としては当然の作りだ。ただ買う側からすると、同じブランドサイトに並んでいる2つが制度上は別の届出、という形になる。

そしてリニューアルで番号が変わっている。2021年のリニューアルは「ドリンクをすっきりオレンジ味に変更」「粒を従来比の約60%まで小型化」というもので、味と大きさの改良でも届出をやり直していることになる。つまり【商品名で機能を追跡することはできない】。追跡できるのはパッケージに書かれた届出番号だけだ。

2届出表示は広がっている。睡眠だけから、ストレスも

2021年のリニューアル時点の届出表示は全文でこうだった。

本品にはGABAが含まれています。GABAには睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上に役立つ機能があることが報告されています。

現行の粒タイプ(H1209)はこうだ。

本品にはGABAが含まれます。GABAは睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)の向上に役立つ機能や、仕事や勉強などによる一時的な疲労感や精神的ストレスを緩和する機能があることが報告されています。

睡眠の部分は括弧の中まで同じで、そこに【仕事や勉強などによる一時的な疲労感や精神的ストレスを緩和する機能】が足されている。GABAの配合量は100mgのまま変わっていないので、成分を増やして機能を足したのではなく、届出の内容として機能を追加したという形になる。

ここは素直に評価していい。GABAの届出は各社が多数出している成分で、睡眠とストレスの両方を1つの届出に入れている製品は使いやすい。ただ【一時的な】という限定は落として読まないでほしい。続く疲労感やストレスに向けた届出ではない。GABAそのものの見方はGABAの成分ページに、他社の届出との横並びは睡眠サプリの届出横断比較に置いている。

3発売時に成分量の訂正が出ている

2019年3月1日のニュースリリースには【成分量の訂正】という但し書きが付いていて、本文に「当初ご案内しました製品の成分量に誤りがございました。おわび申し上げます。」と書かれている。

訂正の前後でどの成分が何mgから何mgに変わったのかは、公表されている資料からは特定できなかった。だから内容を推測して書くことはしない。確認できたのは、発売の案内の段階で成分量の訂正が出ているという事実だけだ。

こういう訂正は珍しいものではないが、買う側が知っておくと役に立つ性質のものだと思う。パッケージに書かれた数字が、そのときの届出に紐づく最新の数字なのかどうかは、リリースやサイトの更新日を見るしかない。だからこそ、追いかけるべきは商品名でなく届出番号になる。

41日あたりの価格と、GABA100mgの相場

ハウスダイレクトの公式通販で、現行の粒タイプは3粒×30袋(30日分)で税込4,298円だった(2026年9月25日時点、変動しうる)。1日あたり約143円になる。

2021年の希望小売価格(税別)と並べておく。

時点・仕様価格日数1日あたり
現行 粒タイプ 3粒×30袋4,298円(税込)30日約143円
2021年 粒タイプ22袋2,980円(税別)22日約135円(税別)
2021年 ドリンク100ml238円(税別)1日238円(税別)

粒は1日130〜145円のあたりで安定していて、ドリンクはその1.7倍近い。飲料は1本ずつ買える手軽さと引き換えに高くなる、という一般的な関係がここにも出ている。

GABA100mgに143円という水準をどう見るか。当サイトの味の素の解剖記事で、グリナの上位版がGABA100mgを上乗せするのに1本あたり約31円しか足していないことを確かめた。単純な比較にはならない——ネルノダはGABAのほかにヒハツ抽出物7.5mg、ショウガ抽出物4mg、ビタミンB2・B6・B12を含む独立した商品で、グリナ側はグリシン3.0gの土台に足す形だ。それでも【GABA100mgという同じ量に、商品によって払う額はかなり違う】ことは覚えておいて損がない。選び方の順番はサプリの選び方に書いている。

5血圧の薬を飲んでいる人は、ここを読んでほしい

公式通販の摂取上の注意に【降圧薬を服用している方は医師、薬剤師に相談】が明記されている。あわせて「疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません」とある。

GABAは血圧に関する届出も多く出ている成分で、降圧薬との重なりは実務でよく相談を受ける。メーカー自身が注意として書いているのだから、該当する人は飲む前に必ず確認してほしい。詳しくはGABAと血圧の薬にまとめている。

6よくある質問

【ドリンクと粒はどちらがいいのか】
届出は別だが、GABAの量は100mgで共通している。1日あたりの価格は粒のほうが安く、ドリンクは1本ずつ買える。続けるなら粒、今夜だけならドリンクという使い分けになる。

【届出番号が変わったら中身も変わったのか】
2021年のリニューアルは味の変更と粒の小型化だった。番号が変わったこと自体は「届け出をやり直した」という意味で、必ずしも機能が変わったことを示すわけではない。ただし届出表示の文は現行で広がっている。

【粒が4粒から3粒に減ったのに量は同じなのか】
GABAは100mgで変わらない。粒を小さくして数を減らしても関与成分の量が同じなら、届出の範囲は変わらない。

【毎日飲まないと意味がないのか】
届出は1日摂取目安量を毎日摂った前提の研究に基づく。飲んだ日だけの効果を届け出ているわけではない。

【血圧の薬と併用できるか】
メーカーが医師・薬剤師への相談を求めている。自己判断で重ねないでほしい。

7薬剤師として付け加える注意

8誰に向いて、誰には向かないか

眠りが浅く、加えて仕事のストレスも気になるという人には、現行のH1209が1つの届出で両方に触れている点で分かりやすい。1日約143円という水準も続けられる範囲だと思う。一方、GABAだけをできるだけ安く摂りたい人には向かない。ヒハツ・ショウガ・ビタミンB群を含む複合設計のぶん、GABA単体の単価では見ないほうがいい。降圧薬を飲んでいる人は、まず相談が先だ。

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9この記事のポイント


【監修】まさ(現役で通販事業の顧問を務める薬剤師/薬機法管理者・景表法第1級)

【出典・確認日】

【今回確認できなかったこと】

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