企業解剖DHC

1日13.5円のDHCマルチビタミンは「栄養機能食品」。103件の届出を薬剤師が消費者庁データベースで解剖する

PRこの記事には商品へのアフィリエイトリンクを含みます。掲載は薬剤師が成分と一次資料で選んだもので、報酬の有無で評価や順位を変えていません。
✓一次資料の照合済み消費者庁 機能性表示食品の届出情報検索(届出者名「ディーエイチシー」)とDHC公式オンラインショップの商品ページで照合(2026-09-28)
まず結論
  • DHCのマルチビタミン30日分は405円・1日13.5円だが、区分は機能性表示食品ではなく栄養機能食品だった(2026-09-28確認)。
  • 消費者庁の届出者名検索「ディーエイチシー」は103件、うち販売中は27件だった(2026-09-28確認)。
  • DHA(届出I408)は1日42円でDHA・EPA計620mg。ファンケルDHA&EPAの1日74円・500mgと比べ、1gあたりの単価が安かった。
この記事で見た商品
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DHCは化粧品と健康食品を中心にした通信販売の会社で、低価格帯のサプリメントを幅広く展開している。食品・飲料メーカーの型に沿って、まず開く一次資料は消費者庁の機能性表示食品届出情報検索になる。会社名でどれだけの商品を届け出ているか、そしてどの商品が実際に販売中かを、届出者名の検索結果そのもので確かめる。

1届出者名で103件、販売中は27件

消費者庁の届出情報検索で、届出者名「ディーエイチシー」を条件に検索すると103件がヒットした(2026-09-28確認)。届出者はすべて「株式会社ディーエイチシー」だが、法人番号は2系統に分かれている。1010401170497(59件、一部は「旧社名:OPI・50株式会社」の表記付き)と4010401018074(44件)だ。会社の登記や届出の経緯までは今回確認していない。

103件の販売状況の内訳は、販売中27件、販売休止中71件、区分の記載が空欄のもの5件だった。届出を出した商品のうち、実際に今も店頭・通販で買える商品は4分の1程度という計算になる。これは良し悪しの話ではなく、届出を重ねながら商品を入れ替えている会社の構成としてそのまま見ておきたい数字だ。

2看板のマルチビタミン・ビタミンCは、103件の届出に入っていない

DHCの通販サイトで特に目立つ商品に、マルチビタミンとビタミンC(ハードカプセル)がある。ところがこの2商品は、届出者名「ディーエイチシー」の103件のどこにも出てこない。

商品ページを確認すると、理由が分かる。マルチビタミン30日分の商品区分は「栄養機能食品(ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・葉酸・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE)」、ビタミンC(ハードカプセル)30日分は「栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンB2)」となっている(いずれも2026-09-28確認)。届出番号の記載はどちらにもない。

栄養機能食品と機能性表示食品は、同じ「保健機能食品」という枠の中にありながら、制度としては別物になる。栄養機能食品は、国があらかじめ定めた栄養素について定型の機能表示を使う制度で、消費者庁への届出や審査は要らない。一方の機能性表示食品は、事業者が科学的根拠を添えて商品ごとに機能性を消費者庁へ届け出る制度で、届出表示の文言も商品固有になる。マルチビタミンとビタミンCが103件に入っていないのは、届出漏れではなく、そもそも届出の要らない制度の商品だからだと読める。

この違いは、書ける言葉の範囲に直結する。栄養機能食品は国が定めた栄養機能表示の言葉しか使えず、「DHAが○○に役立つ」のような商品固有の言い回しは付けられない。マルチビタミンやビタミンCの広告で機能性表示食品のような言い回しを見かけたら、区分とずれている可能性を疑ってよい。

3届出表示の全文一致。DHA(I408)は何を言えるか

DHCの機能性表示食品のうち、販売中のDHA(届出番号I408)の届出表示は次のとおりだ。

本品に含まれるDHA・EPAは、血中の中性脂肪値を低下させる機能があることが報告されています。また、中高年の方の加齢に伴い低下する、認知機能の一部である記憶力を維持することが報告されています。

1日摂取目安量は4粒で、機能性関与成分はDHA510mg・EPA110mg(いずれも4粒あたり)。中性脂肪と記憶力維持の2つの機能が届出表示に入っているが、いずれも【報告されています】という言い方で、治す・防ぐという断定はしていない。記憶力についても「一時的に物事を記憶し、思い出す力」という限定的な意味で使われている成分であり、広告文でこの条件を落として読むと届出の範囲から外れる。

4摂取をする上での注意事項は商品ページに反映されているか

DHA(I408)の商品ページには、疾病に罹患している場合は医師に相談すること、医薬品を服用中の場合は医師・薬剤師に相談すること、妊産婦・授乳婦は対象外であること、体調に異変を感じた場合は摂取を中止して医師に相談することが明記されていた(2026-09-28確認)。妊産婦・授乳婦を対象外とする注意は、DHA・EPAのサプリメントでは比較的よく見る記載で、ここは素直に反映されていると評価できる。

ビタミンC(ハードカプセル)の商品ページには、栄養機能食品の定型の注意文言として「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日の摂取目安量を守ってください」という一文があり、薬を服用中・通院中・妊娠中の人は医師に相談するよう案内されていた。マルチビタミンの商品ページにも、薬を服用中や妊娠中は医師に相談すること、開封後はなるべく早く飲みきることなどの注意は確認できたが、栄養機能食品の定型文言と同じ一文がそのまま載っているかまでは、今回の確認範囲では文言を一致させて取れていない。

5関与成分1gあたりの価格。DHAをファンケルと比べる

価格はいずれも2026年9月28日にDHC公式オンラインショップで確認した通常価格(税込)で、変動しうる。

商品価格(30日分・税込)1日あたり1日の摂取目安量
マルチビタミン405円約13.5円1粒
ビタミンC(ハードカプセル)297円約9.9円2粒
DHA(I408・機能性表示食品)1,269円約42.3円4粒(DHA510mg・EPA110mg)

マルチビタミンとビタミンCは、いずれも1日10円台前半という価格で、栄養機能食品としては軽い負担で試せる部類だと思う。ただし、この2つは前述のとおり機能性表示食品ではなく、国が定めた栄養機能表示の範囲でしか効果を語れない商品だという前提を外さずに読んでほしい。

DHAについては、同じDHA・EPAを関与成分とするファンケルの「DHA&EPA」と並べる。ファンケルの30日分は税込2,205円、1日の摂取目安量は5粒でDHA460mg・EPA40mg(2026-09-28確認)。

DHC DHA(I408)ファンケル DHA&EPA
価格(30日分・税込)1,269円2,205円
1日あたり約42.3円約73.5円
DHA・EPA合計(1日量)620mg500mg
関与成分1gあたり約68円約147円

同じDHA・EPAという関与成分で並べると、DHCは1日量あたりの価格でファンケルの6割弱、関与成分1gあたりの単価でも半分以下になる。DHCの「安い」という特色は、少なくともこのDHAの比較では、実際の一次資料の数字として裏づけが取れた。

6よくある質問

【DHCのマルチビタミンは機能性表示食品ですか】
いいえ。商品ページの区分表示は栄養機能食品で、消費者庁の届出情報(届出者名「ディーエイチシー」103件)には入っていない。国が定めた栄養機能表示の範囲で書かれる商品になる。

【栄養機能食品と機能性表示食品はどちらが優れていますか】
優劣の話ではない。栄養機能食品は国が定めた定型の表示を使う制度で審査や届出は不要、機能性表示食品は事業者が科学的根拠を添えて商品ごとに届け出る制度だ。表示できる言葉の範囲が違う。

【DHCのDHAは何に効きますか】
届出表示は、血中の中性脂肪値を低下させる機能と、加齢に伴い低下する記憶力の一部を維持する機能の2つ。いずれも「報告されています」という言い方で、治療効果をうたうものではない。

【DHCの商品は安全ですか】
今回確認した3商品では、医薬品服用中・妊娠中・体調不良時の注意がそれぞれ商品ページに明記されていた。ただし持病がある人・薬を服用中の人は、購入前に医師・薬剤師に相談してほしい。

【103件のうち販売中が27件しかないのはなぜですか】
理由までは今回の届出情報検索では分からない。商品の入れ替えは通販業界では珍しくなく、休止中の届出には数年前のものも含まれている。件数の内訳としてそのまま受け取ってほしい。

7薬剤師として付け加える注意

8誰に向いて、誰には向かないか

普段の栄養素を安く補いたい人には、DHCのマルチビタミンやビタミンCは1日10円台前半という価格で試しやすい。DHAについても、同じ関与成分量で他社と比べたときの単価は低い部類に入る。一方で、機能性表示食品としての商品固有の届出表示(症状や数値への働きかけ)を期待してマルチビタミンやビタミンCを選ぶと、そもそもの区分が違うので当てが外れる。求める表示の範囲を先に確認してから選んだほうがよい。

9この記事のポイント

【監修】まさ(現役で通販事業の顧問を務める薬剤師/薬機法管理者・景表法第1級)

【出典・確認日】

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