乳酸菌サプリと抗生物質は一緒に飲んでいいか。薬剤師が時間の空け方を判定する
まず結論
- 抗生物質(抗菌薬)は、悪い菌だけでなく乳酸菌にも作用しうる。同時にとると乳酸菌の働きが弱まりやすい。
- 基本は時間をずらす。あるいは抗生物質の治療が終わってから乳酸菌を続ける。
- 抗生物質は自己判断で飲み方を変えない。処方どおり飲みきるのが先で、乳酸菌は補助と考える。
1まず押さえる一点(くわしく)
抗生物質を処方されている間、乳酸菌のサプリやヨーグルトを一緒にとってよいか。結論を先に置くと、一緒にとっても大きな害が出るというより、【乳酸菌が抗生物質の影響を受けて、せっかくの働きが弱まりやすい】というのが本質だ。だから「危ない」より「もったいない・効きにくい」を避ける、という観点で時間をずらす。
2なぜ気をつけるのか:仕組み
抗生物質は、原因となる細菌を抑えるための薬だ。ただし、その作用は狙った菌だけをピンポイントで叩くわけではなく、腸内の有用な菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)にも影響しうる。抗生物質で下痢をしやすくなるのは、この腸内細菌のバランスが一時的に乱れることが一因とされる。
ここに生きた乳酸菌のサプリを同時に入れても、抗生物質が働いている最中は、その乳酸菌も影響を受けやすい。だから「同時」が、いちばん効率が悪い。
3具体的にどうするか
- 服用の時間をずらす:抗生物質と乳酸菌サプリを、数時間あけてとる。同時に流し込まない。
- 治療が終わってから続ける:抗生物質を飲みきったあと、乱れた腸内環境を整える目的で乳酸菌を続ける、という使い方が理にかなう。
- 抗生物質は処方どおり飲みきる:途中でやめると、原因菌が残ったり耐性の問題につながる。乳酸菌の都合で抗生物質の飲み方を変えない。
- 製品によって菌は違う:ガセリ菌CP2305など、菌株ごとに目的が異なる。何のために飲んでいるかを踏まえて、続けるか一時休むかを判断する(CP2305の解説)。
4注意したい人
免疫を抑える薬を使っている人や、医療的に免疫が低下している状態の人は、生きた菌をとること自体について、抗生物質の有無にかかわらず主治医に相談したい。これはプロバイオティクス全般に通じる注意だ。乳由来の原料を使う製品は、乳アレルギーの確認も必要になる。
5どんなときに受診・相談すべきか
抗生物質の服用中に強い下痢が続く、発熱がある、症状が改善しない、というときは、自己判断で乳酸菌を足して様子を見るのではなく、処方した医師・薬剤師に相談する。乳酸菌は治療の代わりにはならない。
6この記事のポイント
- 抗生物質は乳酸菌にも作用しうるので、同時摂取は効率が悪い
- 基本は時間をずらすか、治療が終わってから乳酸菌を続ける
- 抗生物質は自己判断で飲み方を変えず、処方どおり飲みきる
- 免疫を抑える治療中の生菌摂取は要相談、乳アレルギーは原材料確認
- 下痢や発熱が続くときは乳酸菌で様子見せず受診する
- 成分の安全性・飲み合わせの一般情報:国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報(HFNet, https://hfnet.nibiohn.go.jp/)
- 抗菌薬の適正使用:各抗菌薬の医薬品添付文書(PMDA, https://www.pmda.go.jp/)/厚生労働省 抗微生物薬適正使用の手引き