紅麹問題のあと、制度は何が変わったのか。「因果関係が不明でも報告」への転換を原文で確かめる
- 報告が遅れた原因は、隠したことではなく【社内で結論を出してから報告した】ことだった。法令はその一手順を削った。
- いまの義務は「因果関係が不明であっても速やかに」。判断を待つ役目が、事業者から行政へ移っている。
- ただし対象は【医師が診断したものに限る】。受診しなければ、その不調は制度上どこにも記録されない。

1この記事で確かめること
紅麹を関与成分とするサプリで健康被害が報告されて以降、「機能性表示食品は危険なのか」という問いがずっと残っている。この問いに、雰囲気で答えても意味がない。制度がどう変わったかは、内閣府令と省令と通知にはっきり書いてあるので、原文を読めば答えは出る。
ここでは、消費者庁と厚生労働省が出した資料の原文に当たって、【何が義務になったのか】【いつからか】【自分は何をすればいいのか】の三つだけを確認する。効果の話でも、特定の企業を責める話でもない。
2時間が失われたのは、隠したからではなかった
まずここを取り違えると、あとの制度改正の意味が全部ずれる。
消費者庁食品表示課と厚生労働省が連名で出した資料は、経緯をこう書いている。「小林製薬株式会社(機能性表示食品の届出者)の内部で一定の結論を得てから報告を行ったため、消費者庁や大阪市への提供までに約2か月を要した」。
つまり、握りつぶしていたから遅れた、という書き方をしていない。【社内で結論が出るまで報告しなかった】から遅れた、と書いてある。そしてこれは、当時のルールに照らせば不自然な動きではなかった。改正前のガイドライン(平成27年3月30日・消食表第141号)は、届出者に対し、健康被害情報を入手したら情報の収集・評価を行い、評価の結果として被害の発生・拡大のおそれがある場合に消費者庁へ報告する、という順序を求めていたからだ。
収集し、評価し、おそれがあると判断できたら報告する。この順序どおりに動くと、評価に時間がかかるほど報告は遅れる。制度の穴は、誰かの怠慢ではなく【手順の設計そのもの】にあった。
3法令が直したのは、効果でも成分でもなく「判断の順番」だった
改正でどこが変わったのか。消費者庁・厚生労働省の資料は、届出者の義務をこう書き換えている。健康被害と疑われる情報を把握した場合は、「当該食品との因果関係が不明であっても速やかに」都道府県知事等および消費者庁長官に情報提供すること。そしてこれを、届出後の遵守事項として食品表示基準に明記し、機能性表示食品の要件とする。
一文の中に、決定的な変更が二つ入っている。
一つは【因果関係が不明であっても】。改正前に報告の引き金だった「評価してからおそれがあると判断する」という段階が、丸ごと外れた。届出者はもう、自社製品のせいかどうかを見極めてから動く必要がない。というより、見極めてから動いてはいけない。判断する役目は行政側へ移っている。
もう一つは【機能性表示食品の要件とする】。報告義務は、お願いや自主基準ではなく、届出が届出として成り立つための条件になった。守らなければ製品の位置づけそのものが崩れる。
4期限は「なんとなく速やかに」ではない
速やかに、で終わらせると実務では動けないので、通知(令和6年8月23日付け・健生食監発0823第3号)は日数を切っている。原文の条件はこうなっている。
- 概ね30日以内に、同じ所見の症例が複数(2例)発生した場合は、15日以内に情報提供する
- 重篤事例は、1例であっても15日以内に情報提供する
- 起算点は「知った日」から。重篤事例の場合も同じく「知った日」から15日以内
重篤事例の線引きも定義されている。死亡事例、入院治療を受けた場合であって医師が重篤と判断したもの、そして入院治療を受けていない場合であっても医師が重篤と判断した症例。この三つが重篤事例にあたる。逆に、検査入院や経過観察による入院、また入院したとしても医師が重篤ではないと判断した症例は、重篤事例として扱う必要はないと明記されている。入院したかどうかではなく、【医師が重篤と判断したかどうか】で切っているところが要点だ。
もう一つ、見落とされやすい規定がある。重篤事例がいったん発生した場合、それ以降は、重篤度にかかわらず同一所見の症例が情報提供の対象になる。一件重いものが出た時点で、その製品に対する網の目が細かくなる設計になっている。
5一番の落とし穴は「医師が診断したものに限る」
ここが、この記事でいちばん伝えたい部分だ。
改正後の食品衛生法施行規則・別表第17の条文は、対象となる健康被害を「医師の診断を受け、当該症状が当該食品又は添加物に起因する又はその疑いがあると診断されたものに限る」と括っている。つまり、報告義務のスイッチを押せるのは医師の診断だけだ。
これが利用者側にとって何を意味するか。サプリを飲んでいて体調がおかしいと感じ、飲むのをやめて、販売元に電話をして終わりにした場合、その一件は制度上どこにも残らない。義務の対象になっていないからだ。同じ不調が全国で何人に起きていても、誰も受診していなければ、行政から見える症例数はゼロのままになる。
だから、実際に取ってほしい行動は一つに絞られる。【新しいサプリを始めてから続く不調は、やめるだけで済ませず、医療機関にかかって「このサプリを飲んでいた」と伝える】。受診は自分の体のためであると同時に、制度を動かす唯一のスイッチでもある。飲んでいる薬がある人は、その場で薬も伝えてほしい。睡眠サプリと睡眠薬のように、作用の向きが重なる組み合わせは特に区別がつきにくい(睡眠サプリと睡眠薬)。
なお、義務を負うのは届出者であって、買った店やECの販売者ではない。相談先として店舗が悪いわけではないが、店に伝えたから行政に伝わる、という経路にはなっていない。
62026年9月1日に、最後の一枚が入った
紅麹を受けた見直しは、健康被害の報告だけではなかった。もう一本の柱がGMP(適正製造規範)の要件化で、これが【2026年9月1日】から適用されている。
ここは「これから何かが作られる」段階ではない。基準そのものはすでに告示として存在している。【機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準(令和6年内閣府告示第108号)】がそれで、消費者庁は資料の中でこれを「GMP告示」と略している。ただし、2026年9月1日という日付は、この告示のどこにも書かれていない。本文を最初から最後まで読むと、公布文に【令和六年九月一日から施行する】とあるだけで、附則も経過措置も置かれていない。告示そのものは2024年9月1日にもう動き出している。2026年9月1日を作っているのは別の法令で、食品表示基準の一部を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第71号)の附則第二条がそれにあたる。基準ができる日ではなく猶予が終わる日、という読み方は合っているが、その猶予を書いた条文は告示ではなく府令の側にある。日付の根拠を確かめるときに開く先が変わるので、ここは分けておきたい。
消費者庁食品表示課の資料は、この措置をこう説明している。製造工程管理による製品の品質の確保を徹底する観点から、機能性表示を行うサプリメントについてはGMPに基づく製造管理を、食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における【届出者の遵守事項】とする。あわせて、届出者が自主点検を行ったうえで、消費者庁が食品表示法に基づく立入検査等を行う。
対象になる「サプリメント」の範囲も定義されている。天然由来の抽出物であって分画・精製・化学的反応等により本来天然に存在するものと成分割合が異なっているもの、または化学的合成品を原材料とする、錠剤・カプセル剤・粉末剤・液剤等の形状の食品。錠剤やカプセルの形をしていれば全部、ではなく、原材料の性質で線が引かれている点に注意がいる。
ここで押さえておきたいのは、GMPがこれまで【品質へのこだわりを示す任意の看板】として使われてきたのに対し、9月1日以降は該当する製品にとって【守っていなければ届出の遵守事項を満たさない条件】に変わった、という点だ。同じ三文字だが、意味の重さが変わっている。表示や広告で「GMP工場で製造」と書かれていたとき、それが自慢なのか前提なのかは、この日を境に読み分ける必要が出てきた。
7猶予が切れる境目は、売った日ではなく作った日だ
府令の附則まで戻ると、猶予の切り方が思っていたものと違う。令和6年内閣府令第71号の附則第二条は、【令和八年八月三十一日までに製造され、加工され、又は輸入される】加工食品および生鮮食品の表示について、なお従前の例によることができる、と書いている。名指しされた条項のなかに、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として届出をした場合の規定が含まれている。
効いてくるのは、境目に置かれた動詞のほうだ。基準になっているのは【製造され、加工され、又は輸入される】日であって、売った日でも、棚に並んだ日でも、買った日でもない。輸入品については、輸入された日が三つ目の起点として別に立っている。
ここから、読み方が二つ変わる。
一つ。9月1日を過ぎて買った箱が古い表示のままでも、それだけでは違反にならない。8月31日までに製造されたものなら、条文上はまだ従前の例によることができる。消費期限の長いサプリなら、その在庫は年単位で棚に残る。「9月になったのに直っていない」を、そのまま告発のように読むのは、条文の書き方と合っていない。
二つ。逆に、9月1日以降に製造したものに猶予はない。ここは製造の日付一本で切られていて、届出がいつのものかは関係しない。
もう一つ、条文は「なお従前の例による」ではなく【なお従前の例によることができる】と書いている。旧ルールに留まる義務ではなく、選べるという書き方だ。準備の済んだ届出者が先に新しい側へ移ることを、条文は止めていない。だから移行期の棚には、新旧が同時に並ぶ。同じ日に買った二つの製品で表示が違っていたとしても、どちらかが必ず間違っている、とは言えない。
8告示の本文は、工場ではなく届出者から始まっている
告示は全19条ある。中身を製造現場の話だと思って読み始めると、最初の数条で足をすくわれる。
第四条が届出者の責務にあてられていて、届出者は、製造等を行う者がこの告示に従って製造等を行うことを【確保しなければならない】と書かれている。第2項では、機能性関与成分を含む原材料について、製造者等が作成する製品標準書に記載した規格に適合したものが供給されることを確保する義務まで置かれている。製造を全部委託していても、届出者の義務は委託先へ移らない。工場を持たない事業者にとって、この一条がいちばん重い。
第五条は人の置き方を決めている。製造所ごとに総括責任者を置き、その下に製造管理責任者と品質管理責任者を置く。第3項に兼任の線があって、総括責任者は品質管理責任者を兼ねてよいが、製造管理責任者を兼ねてはならない。製造管理責任者と品質管理責任者も、互いに兼ねてはならない。少人数の製造所では、この一文だけで人の配置を組み直す必要が出る。
記録の側も具体的だ。製品等は所定の試験検査に必要な量の二倍以上を参考品として、消費期限等から起算して一年間保管する(第九条)。製造等・保管・出納の記録は、作成の日から三年間または消費期限等から起算して一年間保管する(第十六条)。数字が条文に直接書かれているので、ここは解釈の余地が小さい。
そして第十七条に、この記事の話が戻ってくる。製造者等は、原材料に含まれる健康被害が生じるおそれのある物質について、安全性に関する情報を収集し、評価しなければならない。前後の条文がどれも作り方の管理を扱っているなかで、この一条だけが原材料そのものを見続けることを求めている。紅麹の事案が制度のどこに落ちたのか、条文の並びとして見えるのがここだと考えている。
9義務がかかる工程と、検査に入られる工程は一致しない
GMPの要件化を「サプリの会社にGMPが義務づけられる」と一括りで読むと、範囲を取り違える。消費者庁の資料は、対象を会社単位ではなく【工程単位】で切っていて、一般的なサプリの製造工程を例に、施設を三つの層に分けている。
一つ目が【GMP管理対象施設】。原材料の受け入れから錠剤等の製造までと、出来上がった錠剤を受け入れて包装する工程のうち、衛生状態を変更するものがここに入る。
二つ目が【GMP管理が望ましい施設】。機能性関与成分を含む原材料そのものを製造する施設は、この層に置かれている。望ましいと書かれている以上、対象そのものではない。原材料メーカーまで一律に義務が伸びる、という読み方はできない。
三つ目が、どちらにも入らない工程だ。一次包装が済んだ品物を受け入れて二次包装するだけで、衛生状態を変更しない加工所は、対象範囲の外に置かれている。
もう一つ、原材料の側にも線が引かれている。消費者庁は説明会の質疑で、機能性関与成分【以外】の原材料——質問では副原料としての糖アルコール、デキストリン、乳糖が挙がっている——の製造施設について、GMP告示に基づく製造管理及び品質管理の対象外になると回答している。配合されている原材料をすべて遡って対象になる、という理解は誤りで、対象を決めているのは配合の有無ではなく、その原材料が機能性関与成分を含むかどうかだ。
ここまでなら、範囲が限定されている、という話で終わる。ただ、同じ資料の脚注がその印象をひっくり返す。食品表示法に基づく立入検査は、この図に出てくる【全ての事業者】——食品関連事業者と、その事業に関して関係のある事業者——が対象となり得る、と書かれている。
つまり、【GMPを守る義務がかかる範囲】と【立入検査に入られ得る範囲】は、そもそも同じ線で引かれていない。二次包装だけを請け負う加工所は、GMPの対象施設ではないが、検査の対象からは外れていない。「うちは包装しかしていないから今回の話は関係ない」という理解は、前半は資料のとおりでも、後半は資料と食い違う。
前提の置き方にも注意がいる。この図はいずれも、食品衛生法に基づく安全性の確保——HACCPに沿った衛生管理——がすでにある上に、食品表示法の側から製造管理を重ねる構造で描かれている。GMPが新しく乗るのであって、既存の衛生管理と入れ替わるわけではない。
利用者の側から見ると、ここから出てくる注意は一つだ。「GMP認証工場で製造」と書かれていても、その工場が右のどの層の施設なのかまでは、たいてい書かれていない。製造所なのか、包装だけの加工所なのか。この一文だけで製品全体の製造管理が語れるわけではない、という程度に受け取るのが妥当だと考えている。
10法令が求めているのは「GMP認証」ではない
ここが、この制度改正でいちばん取り違えられやすいところだと考えている。
9月1日以降に求められるのは【GMP告示に基づいて製造管理を行っていること】であって、【GMPの第三者認証を取得していること】ではない。消費者庁は説明会の質疑で、GMP管理が担保される仕組みを問われた回答の中で、GMPの第三者認証については必ずしも取得する必要はない、とはっきり書いている。同じ回答では、事業者による自己点検だけでなく、消費者庁としても製造施設等に対してGMP告示に基づく管理の実施状況の確認を行う予定だ、と続けている。
同じことは、府令の条文の側からも確かめられる。届出者の遵守事項を並べた別表は、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品として届出をした届出者について、【内閣総理大臣が告示で定める基準に即して】製造又は加工されていること、と書いている。求められているのは基準に即した製造であって、認証機関の審査を通ることではない。行政の回答と条文の書きぶりが、そこで揃っている。
つまり、遵守を確かめる経路として法令が用意したのは、認証機関の審査ではなく、届出者の自己点検と行政の確認だった。認証はその経路の外にある。
ここから、表示の読み方が両方向に変わる。
一つ。「GMP認証工場で製造」と書かれていないことは、遵守していないことを意味しない。認証は取らなくてよいと行政が明言している以上、認証マークの不在を欠格のように読むのは、制度の建て付けからずれる。
二つ。逆に、「GMP認証取得」と書かれていることも、この告示を満たしている証明にはならない。認証は民間の第三者が自らの基準で与えるもので、告示の遵守を行政が確認した結果ではない。9月1日を境に、GMPは該当製品にとって満たしていて当然の前提に変わったのだから、それを他社にない強みのように見せる書き方は、事実としても位置づけとしても苦しくなる。
利用者としては、「GMP」の三文字を品質の格付けではなく【該当する製品なら満たしているはずの土台】として扱い、そこから先の差は別の材料で見る、という距離感が妥当だと考えている。
11同じ「自己点検」という言葉が、二つの別の手続きを指している
紛らわしいので分けておく。この制度には、名前の似た自己点検が二つある。
一つはGMPの自主点検で、これは製造管理が告示どおりに回っているかを点検するものだ。消費者庁は、既に公表されている「錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理(GMP)自己点検表」(令和7年5月2日付け食品衛生基準審査課事務連絡)をベースに、機能性を表示する製品に食品表示上求められる事項を注釈で加えたリストを示す予定だと説明している。
もう一つは届出内容そのものの自己点検及び評価で、こちらは様式第7号を用いて【届出者】が行う。期限の起点は届出番号が付与された日で、そこから1年ごとに報告する。消費者庁は、提出期限を過ぎると当該商品は機能性表示食品の要件を欠くことになる、と回答している。提出期限の3か月前・1か月前と、超過した場合にメールで連絡するとも書かれているが、連絡が来るから安心という話ではなく、期限管理は届出者側の責任として置かれている。なお、チェック項目に不適と判断されたものがあること自体で直ちに要件を欠くわけではない、とも明記されている。
製造の点検と、届出の点検。守る対象も、様式も、期限の数え方も違う。片方をやったからもう片方も済んでいる、という話にはならない。
12この記事が扱っていない範囲(線引き)
範囲を広げると不正確になるので、ここまでで触れていないことを明示しておく。
一つ、ここで扱ったのは食品表示基準と食品衛生法の話であって、薬機法の副作用報告とは別の制度だ。医薬品の副作用報告と期限や報告主体が似て見えるが、根拠法も対象も違うので、混ぜて理解しない。医薬品と食品で書ける表現がどこで変わるかは、別の記事で整理している(薬機法の境界線マップ)。
二つ、指定成分等含有食品にあたる製品は、この記事で見た経路ではなく別の通知に基づいて扱われる。
三つ、ここで確認したのは【情報提供の期限】であって、製品回収の期限ではない。報告されたあとの措置は、都道府県等から厚生労働省に集約され、食品衛生法上の措置の要否が検討されるという別の流れになる。なお、情報提供の義務に違反した場合には、食品衛生法に基づいて営業の禁止・停止の行政措置が可能とされている。
四つ、改正後の規定は、施行日(2024年9月1日)より前に届出者が得ていた情報には適用されない経過措置が置かれている。
五つ、この記事は読む側の目線で書いている。届出者や製造者の側で実際に何を点検するか——対象になる製品の切り分け、猶予の判定、表示と広告の見直し——は見る場所が変わるので、メーカーの皆様へに分けて置いた。
13それで、機能性表示食品は危険なのか
ここまで確認したうえで答えると、【制度が危険】という言い方は事実とずれる。今回の見直しで手当てされたのは、効果の裏づけの話ではなく、報告の手順と製造管理という運用の側だった。しかも手当ての方向は、事業者の判断を待たずに行政へ情報が流れるようにする、という利用者に有利な向きに動いている。
一方で、無条件に安心してよいという結論にもならない。報告義務は【医師が診断したもの】で作動する設計なので、利用者が受診しなければ、いくら制度が整っても症例は集まらない。制度は網であって、網に入るかどうかは受診という行動が決めている。
だから距離感としては、こうなる。根拠は届出で辿れる(機能性表示食品とは、届出表示の読み方)。製造の前提は9月1日から一段上がった。そのうえで、自分の体調の変化だけは、誰も代わりに見てくれない。
14この記事のポイント
- 報告が遅れた原因は隠蔽ではなく、社内で結論を出してから報告する手順にあった(実例で約2か月)
- 改正後は「因果関係が不明であっても速やかに」。評価を待つ段階が法令から外れた
- 期限は、同じ所見が概ね30日以内に2例で15日以内。重篤事例は1例でも15日以内
- 重篤かどうかは入院の有無ではなく、医師が重篤と判断したかどうかで切られる
- 対象は医師が診断したものに限る。受診しなければ制度上は記録されない
- GMPに基づく製造管理は2026年9月1日から届出者の遵守事項になった。基準自体は令和6年内閣府告示第108号として既にあり、この日は経過措置が切れる日にあたる
- 法令が求めているのはGMP告示に基づく製造管理であって、第三者認証の取得ではない(消費者庁は必ずしも取得する必要はないと回答している)
- 「自己点検」はGMPの自主点検と届出内容の自己点検の二つがあり、様式も期限の数え方も別
- 2026年9月1日という日付は告示ではなく、食品表示基準を改正した内閣府令(令和6年内閣府令第71号)の附則第二条にある。告示自体は附則を持たず2024年9月1日に施行済み
- 猶予の境目は【令和8年8月31日までに製造され、加工され、又は輸入される】もの。売った日ではなく作った日で切られている
- 附則は「なお従前の例によることができる」と書いており、旧ルールに留まる義務ではない。移行期の棚には新旧が並ぶ
- 告示第四条は届出者に、製造者等が告示に従って製造することを確保する義務を課している。製造を委託していても義務は移らない
- 消費者庁食品表示課・厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課「機能性表示食品等に係る健康被害の情報提供の義務化について」令和6年8月30日(https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001298189.pdf)2026年8月20日確認。経緯(約2か月)、改正前ガイドラインの収集・評価の順序、「因果関係が不明であっても」の文言、食品衛生法施行規則別表第17第9号ハ、重篤事例の定義、15日・30日の期限、施行期日と経過措置はいずれも同資料による
- 消費者庁食品表示課「機能性表示食品の今後について」2024(令和6)年8月(https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms201_240823_01.pdf)2026年8月20日確認。GMPの要件化、対象となるサプリメント形状の定義、令和8年9月1日の適用、立入検査等の体制、違反時の営業の禁止・停止、および「GMP管理対象施設/GMP管理が望ましい施設」の工程別の区分と、立入検査が食品関連事業者およびその事業に関して関係のある事業者の全てを対象となり得るとする注記は、いずれも同資料による
- 厚生労働省「機能性表示食品等に係る健康被害の情報提供について」令和6年8月23日付け・健生食監発0823第3号(情報提供の対象・期限・提供先を定める通知)
- 「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」平成27年3月30日・消食表第141号(改正前の収集・評価・報告の順序の根拠)
- 消費者庁 機能性表示食品制度(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/)2026年8月20日確認
- 消費者庁 機能性表示食品制度届出データベース(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)2026年8月20日確認
- 消費者庁「機能性表示食品制度に関する説明会 説明事項についての主な質問及び質問に対する回答」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/movie_005/assets/food_labeling_cms205_250523.pdf)2026年8月24日確認。GMP告示(令和6年内閣府告示第108号)の名称と略称、第三者認証を必ずしも取得する必要はないこと、消費者庁が製造施設等に対して実施状況の確認を行う予定であること、機能性関与成分以外の原材料(副原料としての糖アルコール・デキストリン・乳糖)の製造施設が対象外であること、GMP自己点検表(令和7年5月2日付け食品衛生基準審査課事務連絡)を基にしたリストを示す予定であること、届出内容の自己点検及び評価は様式第7号を用いて届出者が行い届出番号が付与された日を起点に1年ごとに報告すること、提出期限を過ぎると機能性表示食品の要件を欠くこと、期限の3か月前・1か月前および超過時に消費者庁からメール連絡があること、不適と判断された項目があること自体では直ちに要件を欠くわけではないことは、いずれも同資料による
- 消費者庁「機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準の制定及び食品表示基準についての一部改正について」2024年8月30日、および同日付け別紙別添(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms205_240830_06.pdf)2026年8月24日確認。GMP告示が令和6年内閣府告示第108号であることの確認
- 内閣府告示第百八号「機能性表示食品のうち天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品の製造又は加工の基準」令和6年8月30日(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms205_240830_01.pdf)2026年8月31日確認。告示の全19条を原文で確認した。公布文の「令和六年九月一日から施行する」、附則および経過措置が置かれていないこと、第四条(届出者の責務)、第五条第3項(総括責任者・製造管理責任者・品質管理責任者の兼任の可否)、第九条第六号(参考品を所定の試験検査に必要な量の二倍以上、消費期限等から起算して一年間保管)、第十六条第三号(記録の保管期間)、第十七条(原材料に含まれる健康被害が生じるおそれのある物質の安全性情報の収集・評価)は、いずれも同告示による
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)統合版(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_260416_05.pdf)2026年8月31日確認。附則(令和6年内閣府令第71号)第一条・第二条の原文(施行期日と、令和8年8月31日までに製造され、加工され、又は輸入されるものについて「なお従前の例によることができる」とする経過措置)、および届出者の遵守事項を定める別表の「内閣総理大臣が告示で定める基準に即して製造又は加工されていること」という文言は、いずれも同基準による
- 消費者庁次長通知「『食品表示基準について』の一部改正について」令和6年8月30日付け・消食表第770号(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms205_240830_05.pdf)2026年8月31日確認。食品表示基準の一部を改正する内閣府令が令和6年内閣府令第71号であり、令和6年8月23日に公布・同年9月1日に施行されたことの確認
飲んでいるサプリが自分に必要か、飲み合わせは大丈夫か。売る側でない薬剤師が、要るものは勧め、要らないものは正直に要らないと伝えます。初回はメールで無料。
薬剤師に相談する(初回無料)