花粉症・アレルギーの薬で眠くなる。薬剤師が世代の違いと眠気対策を整理する
- 花粉症やアレルギーの薬(抗ヒスタミン薬)で眠くなるのは、成分が脳に届いてヒスタミンの働きを抑えるため。市販の睡眠改善薬と同じ系統の成分もある。
- 眠気の出やすさは薬によって大きく違う。古いタイプ(第1世代)は眠気が強く、新しいタイプ(第2世代)は眠気が出にくい。日中の眠気が困るなら、この違いで選ぶ。
- 眠気を「夜の睡眠に利用する」のは薦められない。とくに高齢の方は、ふらつきや口の渇きなどの影響が出やすく注意が要る。
1なぜアレルギーの薬で眠くなるのか
花粉症やじんましんに使う薬の多くは、抗ヒスタミン薬と呼ばれます。ヒスタミンという物質の働きを抑えてくしゃみや鼻水を止めるのですが、この成分が脳に入り込むと、脳内でもヒスタミンの働きを抑えてしまい、眠気やだるさが出ます。市販の睡眠改善薬(ジフェンヒドラミン)が、まさにこの「抗ヒスタミン薬の眠気」を利用したものだと知ると、つながりが見えてきます(市販の睡眠改善薬の記事)。
つまり眠気は、効果の裏側にある作用です。ただ、その出やすさは薬によって大きく変わります。
2第1世代と第2世代の違いで選ぶ
抗ヒスタミン薬は、大きく二つの世代に分かれます。
古いタイプ(第1世代)は、脳に入りやすく眠気が強く出ます。市販の総合感冒薬や一部の鼻炎薬、酔い止めなどに含まれます。効き目を感じやすい一方、日中の眠気や集中力の低下が起こりやすい。
新しいタイプ(第2世代)は、脳に入りにくく設計されていて、眠気が出にくいのが特徴です。日中に活動する人、車を運転する人、仕事や勉強に集中したい人は、こちらのほうが向きます。
「花粉症の薬で日中ぼんやりする」なら、第2世代への切り替えで軽くなることが多いので、薬剤師に「眠気の少ないタイプにしたい」と相談してください。眠気が強い薬では、車の運転を控える注意が添付文書に書かれているものもあります。日中の強い眠気の切り分けは日中の強い眠気の記事も参考になります。
3眠気を「睡眠に使う」のは薦めない
アレルギーの薬で眠くなるからと、それを寝つきの助けに使うのは薦められません。抗ヒスタミン薬の眠気は数日で慣れて効きにくくなり、翌日への持ち越しやだるさも出やすい。睡眠の質を上げる眠りとは別物です。市販の睡眠改善薬・処方の睡眠薬・睡眠サプリの立ち位置の違いは睡眠薬・改善薬・サプリの違いの記事に整理しました。
とくに高齢の方は、第1世代の抗ヒスタミン薬で、ふらつきや転倒、口の渇き、尿の出にくさ、ぼんやりといった影響が出やすくなります。高齢者に慎重を要する薬にも挙げられており、市販薬を選ぶときも成分を確認したいところです(高齢者と睡眠薬の記事)。
眠気は避けられる副作用です。世代の違いを知って、日中に困らない薬を選ぶ——ここを薬剤師と詰めるだけで、花粉症のシーズンの過ごし方が変わります。
- 抗ヒスタミン薬の世代差・眠気・高齢者の注意:各製品の添付文書、医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品添付文書情報(https://www.pmda.go.jp/)、日本アレルギー学会などの一般向け情報