睡眠によい食べ物・避けたい食べ物。薬剤師がトリプトファンと食事を整理する
- 特定の食べ物を食べれば劇的に眠れる、という魔法の食品はない。食事はあくまで睡眠の「土台」。
- トリプトファンなどを含むたんぱく質を朝〜日中にバランスよくとり、生活リズムを整えるのが基本。
- 寝る前の重い食事・カフェイン・アルコールは、眠りを浅くしやすいので控える。
1「これを食べれば眠れる」は期待しすぎ
睡眠と食事の関係を調べると、「〇〇を食べると眠れる」という情報にたくさん出会います。ただ、特定の食品を食べただけで劇的に眠れるようになる、というものではありません。食事は、眠りの質を左右する土台のひとつであって、単発の食べ物に即効性を求めるより、全体のバランスとリズムで考えるのが現実的です。
2トリプトファンと、その材料の話
睡眠に関わる話でよく出るのがトリプトファンです。これは体内でセロトニン、さらにメラトニンという睡眠に関わる物質の材料になるアミノ酸で、肉・魚・大豆製品・乳製品などのたんぱく質に含まれます。ポイントは、材料をとってから体内で使われるまでに時間がかかるため、寝る直前にたくさんとるより、朝食を含めて日中にたんぱく質をバランスよくとり、朝に光を浴びてリズムを整えることのほうが理にかなっている、という点です。当サイトが扱うグリシンも、体内にあるアミノ酸の一つです。
なお、トリプトファンをサプリメントで大量にとることには注意が必要です。とくに精神科・心療内科の薬(セロトニンに関わる薬)を飲んでいる人が自己判断で足すのは避け、主治医・薬剤師に相談してください。食事から自然にとる分とは、話が変わります。
3血糖の乱高下も睡眠に関わる
夜遅くに甘いものや炭水化物を大量にとると、血糖が急に上がって下がる乱高下が、夜間の眠りに影響することがあります。夕食が極端に遅い・重い場合も、消化のために体が働いて眠りが浅くなりがちです。就寝の2〜3時間前までに、ほどほどの量で済ませておくのが無難です。
4避けたい・タイミングに注意したいもの
- カフェイン:コーヒー・お茶・エナジードリンクは、夕方以降は控えるのが基本です(カフェインは何時まで大丈夫か)。
- アルコール:寝つきは良くなったように感じても、夜間の眠りを浅くし、途中で目を覚ましやすくします。「寝酒」は睡眠の質にはマイナスに働きがちです。
- 就寝直前の重い食事・脂っこいもの:消化の負担で眠りが浅くなります。
5サプリとの関係
食事が土台で、サプリはその上での補助、という順番は変わりません。食生活が乱れたままサプリだけで補おうとするより、まず食事・リズムを整えるほうが近道です。そのうえで睡眠の質が気になるなら、サプリの飲み方は睡眠サプリはいつ飲む?を、寝つきの工夫は寝つきが悪い人の入口を参考にしてください。
- 成分・栄養の一般情報:国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報(HFNet, https://hfnet.nibiohn.go.jp/)
- 医薬品との相互作用:医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品添付文書情報(https://www.pmda.go.jp/)