栄養

鉄分と睡眠。薬剤師が鉄不足・むずむず脚と、確認の順番を整理する

まず結論
  • 鉄不足は、日中のだるさや息切れだけでなく、夜に脚がむずむずして眠れない「むずむず脚」に関わることがある。
  • 鉄が足りているかは、思い込みでなく血液検査で分かる。サプリで自己判断する前に、まず確認するのが順番。
  • とくに月経のある女性、妊娠・授乳期、よく献血する人は不足しやすい。

1鉄は何のために要るか

鉄は、血液のなかで酸素を全身に運ぶヘモグロビンの材料になるミネラルです。不足すると全身に酸素が行き渡りにくくなり、疲れやすさ、息切れ、顔色の悪さ、集中力の低下といった形で出てきます。これらは睡眠不足と紛らわしい症状でもあるため、「寝ても疲れが取れない」の背景に鉄不足が隠れていることがあります。

2むずむず脚と鉄の関係

睡眠との関わりでとくに知っておきたいのが、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)です。これは夕方から夜にかけて、脚の内側がむずむずする・虫がはうような感覚が出て、じっとしていられず眠りを妨げる状態です。この背景に鉄の不足が関わることがあると知られており、鉄を補うことで和らぐ人もいます。ただし自己判断で鉄サプリを足すのではなく、症状が続くなら受診して、検査で鉄の状態を確かめるのが安全です。神経内科や睡眠外来が相談先になります。

3食事での鉄のとり方

鉄には、肉や魚に多い吸収のよいヘム鉄と、野菜・海藻・大豆製品に含まれる非ヘム鉄があります。非ヘム鉄は、ビタミンC(野菜・果物)と一緒にとると吸収が高まります。逆に、食事のすぐ後の濃いお茶・コーヒーは鉄の吸収を妨げることがあります。まずは食事のバランスを整えることが土台で、たんぱく質全体の考え方はプロテインの基本も参考になります。

4サプリ・薬との注意

鉄のサプリは、とりすぎると便秘や胃の不快感が出ることがあり、必要のない人が大量にとるものではありません。また、飲み合わせにも注意が要ります。胃酸を抑える薬を長く飲んでいる人は鉄の吸収が落ちやすく(胃薬とサプリ)、甲状腺の薬とは同時にとると互いの吸収を妨げるため時間をあける必要があります(甲状腺の薬とサプリ)。貧血が疑われる場合は、自己判断でサプリを重ねるより、検査で原因を確かめてから対処するのが確実です。日中の強い眠気やだるさが続くなら、日中の強い眠気の入口も合わせて見てください。


【監修】まさ(薬剤師・運営者/薬機法管理者/景表法第1級/コスメ薬機法管理者)

【出典】