悩み別

脚がむずむずして眠れない(むずむず脚症候群)。薬剤師が原因と受診の目安を案内する

まず結論
  • 夕方から夜に脚の奥がむずむずして、動かさずにいられず眠れない——これはむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)という、れっきとした病気のことがある。
  • 背景に鉄の不足が関わることがあり、まずは受診と検査で鉄の状態を確かめるのが順番。自己判断でサプリを重ねる前の一手はここ。
  • むずむず脚そのものを治すとうたえる機能性表示食品はない。気晴らしのサプリ選びより、原因の切り分けが近道になる。

1「脚がむずむずして眠れない」を、気のせいにしない

布団に入って体を休めたとたん、脚の内側やふくらはぎの奥がむずむずする、虫がはうような、ほてるような感覚が出て、じっとしていられない。脚を動かすと一瞬おさまるが、止めるとまた戻る。この繰り返しで寝つけない、あるいは夜中に起きてしまう——この訴えは、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群、RLS)という状態のことがあります。

疲れや気のせいで片づけられがちですが、安静時に強まり動くと軽くなる、夕方から夜にかけて悪化する、という時間の癖があるのが特徴です。ここに心当たりがあるなら、睡眠の悩みとしてだけでなく、体のサインとして見たほうが筋が通ります。

2まず疑う、鉄の不足

むずむず脚の背景として知られているのが、体内の鉄の不足です。血液検査で貧血と出ないレベルでも、貯蔵鉄(フェリチン)が低いと症状に関わることがあると考えられています。鉄を補うことで楽になる人がいる一方、鉄が足りている人にサプリを足しても意味は薄く、とりすぎは別の負担になります。

だからこそ順番が要ります。むずむず脚を感じたら、鉄サプリを先に買うのではなく、受診して検査で鉄の状態を確かめる。ここが安全で確実な一歩です。鉄と睡眠、確認の順番は鉄分と睡眠の記事に整理しました。

3薬やほかの原因が絡むこともある

むずむず脚は、鉄以外の背景で起きることもあります。腎臓の働きが落ちている場合、妊娠中、あるいは服用している薬が症状を強めている場合です。一部の抗ヒスタミン薬や、吐き気止め、気分に関わる薬などが引き金や増悪の要因になることが知られています。市販の風邪薬や酔い止めに含まれる成分でむずむずが出る、というケースもあります。

いま薬を飲んでいて脚のむずむずが出た、あるいは強くなったなら、自己判断で薬をやめず、処方した医師や薬剤師に相談してください。薬とサプリの重なりを俯瞰したいときは飲み合わせの総合ガイドも入口になります。

4受診を考える目安(ここが最重要)

次のような場合は、生活の工夫やサプリで様子を見続けず、受診で背景を確認したいところです。週に何度も脚のむずむずで眠れない、日中の眠気や生活への支障が出ている、鉄不足や腎臓の病気を指摘されたことがある、妊娠中である、飲んでいる薬が増えてから症状が出た——これらは、内科・神経内科・睡眠外来での確認が向きます。むずむず脚は診断がつけば対処の道がある状態なので、「体質だから」と抱え込まないほうが結果的に早く楽になります。

じっとしていられない感覚ではなく、単に夜中に何度も目が覚めるのが悩みなら、夜中に目が覚める人の入口のほうが近いかもしれません。

5サプリの位置づけ

むずむず脚症候群そのものを対象にした機能性表示食品はありません。鉄のサプリは不足を補うためのもので、むずむず脚を治す目的で選ぶものではない、という前提で見てください。「これを飲めば脚のむずむずが消える」とうたう健康食品があれば、それは届出の範囲を超えた表現だと考えて距離を置くのが安全です。届出表示が何を意味するのかは届出表示の読み方にまとめています。

不足を検査で確かめたうえで、医師の判断のもとに鉄を補う。この順番を守ることが、遠回りに見えていちばんの近道になります。


【監修】まさ(薬剤師・運営者/薬機法管理者/景表法第1級/コスメ薬機法管理者)

【出典】