運動と睡眠。薬剤師がいつ・どんな運動が眠りに効くかを整理する
- 適度な運動は、睡眠の質を助ける方向に働くと考えられている。まず整えたい生活側の土台のひとつ。
- 向くのは、夕方までの有酸素運動や日中の活動。就寝直前の激しい運動は、かえって眠りを妨げやすい。
- サプリより前に、運動・光・食事といった生活側を整えるのが順番になる。
1なぜ運動が睡眠に関わるのか
体を動かすことが睡眠の質に関わる理由は、いくつか説明されています。日中に活動することで夜との「メリハリ」がつき体内時計が整うこと、運動で一度上がった深部体温が夜にかけて下がる流れが寝つきに働くこと、ストレスや気分の面での効果があること、などです。いずれも断定はできませんが、適度な運動習慣のある人ほど眠りの質がよい傾向は、広く知られています。
2いつ・どんな運動が向くか
向いているのは、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を、夕方までの時間帯に行うことです。日中によく体を動かした日は、夜の寝つきがよくなる人が多くいます。強度は「少し汗ばむ」くらいで十分で、毎日でなくても、続けられる範囲が大切です。運動習慣がない人は、通勤や買い物で歩く距離を増やすといった小さな一歩からで構いません。
3就寝前に避けたいこと
一方で、就寝の直前に激しい運動をすると、交感神経が高ぶり深部体温も上がって、かえって寝つきにくくなります。夜にしっかり運動したい場合でも、就寝の2〜3時間前までに終えるのが無難です。寝る前に体を動かすなら、軽いストレッチや深い呼吸など、緊張をほどく方向のものにとどめるのが向きます。
4やりすぎ・体調への配慮
睡眠のためにと張り切りすぎて、疲労をためたり、持病のある人が無理をしたりするのは逆効果です。心臓や関節などに不安がある人、治療中の人は、運動の内容を主治医に相談してから始めると安心です。日中の強い眠気があってパフォーマンスが落ちている場合は、運動より先に背景の確認が要ることもあります(日中の強い眠気の入口)。
5サプリとの位置づけ
運動・光・食事といった生活側を整えることが土台で、サプリはその上での補助です。生活が乱れたままサプリだけに頼るより、まず動く習慣を少し足すほうが、睡眠には効きやすいものです。そのうえで睡眠の質が気になるなら、サプリの飲み方は睡眠サプリはいつ飲む?、寝つきの工夫は寝つきが悪い人の入口を参考にしてください。
- 一般的な健康・運動情報:厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動に関する一般向け情報/日本睡眠学会などの一般向け情報
- 成分の一般情報:国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報(HFNet, https://hfnet.nibiohn.go.jp/)